今日から不良王子と同居します。

「魔性だなんて……。心を奪われるってどういうこと?」


「恋に落ちてしまうということです。ですが、ああいう男はいけません。たとえ、神崎家のご子息といえどお嬢様には合わないタイプですから」


「は?なにそれ」


「彼はきっとプレイボーイですよ」


ばあやは、昨日出会ったばかりの男の子のことを好きになってはいけないと釘を刺してきた。


恋に落ちるだなんて、1度キスを許してしまったからって?


どうしてそんなに発想が飛躍しちゃうんだか。


「何を言いだすかと思ったら、ばあやったら恥ずかしいわ、そんなこと」


「いいえ、ばあやはお嬢様よりもうんと長く生きてますからよくわかるのです。とにかくあの御曹司には十分お気を付けください」


「はいはい、もういいわそんな話」


もうっ、ばあやったら、いつも先読みばかりして心配性なんだから。


相手は、16歳の少年、私よりも2歳も年下なのに。そんな人に簡単に心を奪われたりしないよ。