今日から不良王子と同居します。

「うーんと、どこってわけじゃないけどゲーセンとかファミレスとかぶらぶらと」


「繁華街に行くの?夜遅くに危なくないかしら」


「繁華街って……。別に大丈夫だよ、女の子じゃないんだし」


彼は私がいろいろ質問するから、ちょっとうんざりしたように肩をすくめた。


「お金は足りる?お小遣い渡そうか?」


「金くらいあるよ、そんなことまで心配してくれなくていいから」


彼は蒼汰くんのほうをチラチラ見ながら恥ずかしそうに答える。


蒼汰くんはというと私達のやり取りをポカンと眺めている。


だってだって、夜の街にでてもしお金を使い過ぎて電車賃がなくなったらどうするんだろう。帰ってこれなくなっちゃうよ。


でも、やっぱり遅くまで遊び歩くのは良くないし門限とか決めておいた方がいいかな。


彼は神崎家からおあづかりしている大切なお客様なんだし。
もしものことがあったら、大変。


「あ、あの遊びに行くみんなは門限とかあるの?」


「そんなのあるわけないじゃん、ちょっと音葉さん、いいかげんやめてくれないか、そんな過保護な心配をするのは」