「それにこんなに綺麗な女の人と話せるなんてなんかアガッちゃうな、アハハ」


彼は私のななめ上を見ながら耳まで赤くして頭の後ろをかいている。


やだ、なんだか可愛いらしい。


でも綺麗な人だなんてちょっと大袈裟だよ。


私なんてそんなに大したことはないのに。


ただ髪型とかこのお嬢様っぽい制服のおかげで雰囲気だけは大人っぽく見えるのかもしれない。


「おい、蒼太、なに人んちの門の前で口説いてんだよ」


「あっ、玲生くん」


後ろから声がしたから振り返ったら、私服に着替えてきた玲生くんが門を開けてでてくるところだった。


「く、くどいてねーよ、バカ。おま。なんてことを」


「おまえ、テンパりすぎだろ」


「だって、玲生、俺、こんなにマブイお姉さんと話したことないんだよ。なんかいい香りするし頭がぼんやりしてきて、いっぱいいっぱいだ」


恥ずかしそうにそう言って玲生くんの腕にしがみつく蒼汰くん。


「おまえ、モジモジすんじゃねえよ。もっと堂々としてろ」


「無理だ―、どうしてお前は平気でいられるんだよ」