今日から不良王子と同居します。

「ばあや、昨夜のお客様はどうなったのかしら。お父様からお願いされた大切な方なのに私ったら昨夜は先に眠ってしまったのかな？」


「ああ、あの方のことなら大丈夫ですよ。昨夜は客間に寝てもらって今は、下でお食事をされておられますよ」


「そう、良かった」


「良かったではございませんよ。お嬢様。
あの坊ちゃんはお嬢様にあんな不埒なことをしたのですから」


ばあやは、あきれたように表情を曇らせる。


「不埒って、なにを？」


恥ずかしくて思わず口元を隠した。


もしかしてばあやはあのことを知っているの？


もしそうだとしたら、顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。


気づかれないように精一杯、平気なフリをしよう。


「まあ、お嬢様ったら、本当にお人がよろしすぎますよ。あんなことをされたら少しは怒らないといけません、早速下へ行ってあの坊ちゃんの横っ面を引っ叩いておやりなさいませ」


そう言い放つばあやは眉を吊り上げてムスッとした。