今日から不良王子と同居します。

「音葉は素直すぎるから難しいとは思うけど、そういうとこもっとうまくやった方がいいんじゃないかなって」


「え？うまく？」


「たとえば、音葉んちのばあやさんの反応はどうなのよ？」


「あーうん。そうね。なんていうか」


さすがは明日香ちゃん、よくわかってるなって思う。


明日香ちゃんが心配してくれてる通り、ばあやは私と彼が関わること自体いまだに良く思っていない。


食事をするのも私とは別々にすべきじゃないかなんて言い出したんだけど、それは私が猛反対して。


だって、食事を一緒にした方が彼の健康状態や普段の様子なんかもよくわかるだろうし。


私としては彼をお客様としておもてなしする義務があるんだから。


彼が我が家で快適に過ごせているかなっていつも気になっている。


「ばあやは必要以上に彼には近づいちゃダメって言うよ。もちろん彼のお部屋に行くなんてもっての他だと思う。だから、そのことは絶対に秘密なの」


「秘密か……」


「…うん」


「めずらしいね、音葉がばあやさんに逆らうのも秘密をつくるのも」