今日から不良王子と同居します。

何を勘違いしたのか、そんなことを言ってニヤニヤしてる。


「なにか恥ずかしいことでも聞かれた?音葉さんは純情だからなー」


またからかうようなことを言いながら、私の頬に手を伸ばしてくる。


「え、そんなんじゃないよ」


人差し指で頬にちょんちょんって触れられるからドキッとした。


「じゃあ、どうしたんだよ?」


「えっと」


言おうかどうしようか迷っていたらなぜだか壁際まで追い詰められていた。


あれれ、いつのまにこんなことに?


愛おしそうに優しく見つめてくるからボーッとしてしまいそう。


今日も、爽やかでカッコイイ顔立ちとすべてを見通すように澄んだ青い瞳。


どうしよう、一応彼にもさっきのことを話しておいた方がいいよね。


そう思い、意を決してそのことを告げた。


「え、兄さんが……?」


彼は目を見開いて私の説明を聞いていたけど、その顔からはスーッと笑顔が消えていく。