特にかおるちゃんと仲が良いのは知っているから、こうやってお席には呼ばれる。 そして私と樹くんのお食事の場を取り持ってくれたのも、この社長さんだった。

「ひなたちゃん、大好きな小鳥遊くんとはどうだい?」

「あ、前坂社長その子直ぐに調子に乗るからその話題はふらない方がいいですよ?」

キャバ嬢メイクをしているかおるちゃんはいつもより派手だ。

そして毒舌も変わらずに、気の強い彼女にいじめられたいってお客さんも沢山いて、マーメイドではランキング上位に入る人気嬢だ。

私はそんなかおるちゃんにベッと舌を出した。

「前坂社長聞いて下さいッ……樹くんめっちゃ冷たくって…」

「あはは、小鳥遊くんは仕事も出来るが女性にもとてもモテるからねぇ」

「あれだけかっこよければモテるのは当然ですッ。」

「この間の打ち合わせで丁度小鳥遊くんとは話す機会があったよ。
ひなたちゃんの話も少ししていた。」

「え?!なんて?!」

前のめりで、目を輝かせる。
どんな褒め言葉を言っていたの?

「しつこくって参るって」

ガーン。そりゃあ樹くんの言いそうな事だよ。
隣に座っているかおるちゃんはプッと静かに吹き出す。…失礼だなあ。