いいよ、とは答えたものの、それを樹くんが許可してくれるかは別として。
今日だって困りに困り果てて、こんな怪しい女に自分の大切な子供を預けたんだろうし。

話しているうちにすぅすぅと安らかな寝息が聴こえてくる。
小さなチビひなたの柔らかい体をぎゅっと抱きしめると、暖かい温もりがじんわりと合わさる。

子供からはとても良い匂いがした。そしてトクントクンと小さく刻む鼓動は何故か私を安心させる。


チビひなたを寝かしつけたら、リビングを片付けなくっちゃ。 さんざんゲーム機を出してお菓子も食べつくした。証拠隠滅をしないと、樹くんにきっと怒られる。

そして遅くに疲れて帰って来た彼に美味しいカレーを食べさせてあげるんだ。そしたら私への評価も少しは上がるかもしれない。あわよくば、そんな事を考えているうちに私は幸せな眠りに落ちて行ってしまった。