チビひなたはもう私を頭ごなしに拒絶はしていなかったと思う。

一緒にベッドに入って、ポンポンとお腹の辺りを叩いてやるとゆっくりと目を瞑る。長い睫毛。寝ている時まで樹くんの面影がどこかある子供。

「なぁー?」

「うん?どーした?」

「明日の朝もカレー食べていい?」

「お。さては私のカレーが気に入ったな?」

「べ、別にそういうんじゃない!
お父さんにアピールする為に鍋いっぱいに作ったみたいだけど、お父さんが食べなかったらお前が可哀想だろう?」

「あらーチビの癖にそういう所は気を遣うのね」

「僕はお父さんと違って好き嫌いがないから何でも食べれるんだ」

「あらそれはそれはチビひなたはいつかお父さんより大きくなるかもね」

「それに……」

言いずらそうに何かを口にして、チビひなたは布団で顔を隠した。

「また…一緒にゲームしてくれる?」

「いいよ!」

「デカひなたとしたい訳じゃない。お父さんはもっと下手糞なんだ。」