チビひなたがお風呂に行っている間に、リビングの片づけをしていた。 それにしても物がごちゃごちゃしているなぁー…。
家政婦さんでも雇えばいいのに。それだけ人に自分の家を見せたくないって言う樹くんの考えなのだろうか。
それにしても広いお家。家族二人で住むには広すぎる位。 こんな広い家でおじいちゃんとお父さんが居ない間に一人で過ごすチビひなたの気持ちを考えると、少しだけ胸が痛い。
あの子はどんなに生意気な口を利いたって、ゲーム一つで釣れる位まだまだ子供なんだ。
部屋の片づけをしていると、チェスト台の上の写真立てに目が行く。 さっきちらりと見ただけだ。
花瓶に供えられた向日葵は生花で、その横に笑い合う幸せそうな家族写真。
チビひなたを挟む樹くんと亡くなった樹くんの奥さん。飾られたお花のように綺麗な人だった。 だからまた胸がずきりと痛む。
彼から愛された人。…そしてきっとまだ彼から愛されている人。 勿論チビひなたの事もあるんだろうけれど、樹くんが誰とも付き合わないのは、この人を今でも愛しているからじゃないのかな。
そう考えると………
そんな一途な樹くんもかっこいいーーーーー!!
何度も言うようだが、私はポジティブだ。
切なくはなっても後ろ向きになる事はない。
女遊びが激しいとか、捨てられた女は数知れず。
だけども彼の中に溢れんばかりの愛情があるのは、あの優しい笑顔を初めて見た時から何故かピンときた。



