【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー


そう言ったのと同時にお腹からきゅるるぅーと音が鳴る。
それを聞いて、チビひなたは口をめいっぱい広げて大笑いした。
あ。笑うとやっぱり可愛い。子供の笑顔が可愛くないなんて事はないだろう。

「馬鹿みたいに鍋に作って食べきれないだろう。お前も食えば?」

「はいはーい。じゃあ遠慮なく頂きますよぉーだッ。」

適当にお皿を取り出して、自分の分のカレーも用意する。

「んんー!これは美味しいッ。私ってば天才!」

「普通自分でそういう事言うかぁ?」

「めっちゃ美味しいじゃーん!それに誰かと一緒に食べるって美味しいね?」

そう訊ねるとチビひなたは微妙な顔をして、「まあ…」とぽつりと呟いた。

「チビひなたは今何歳なの?」

「7歳。」

「じゃあ小学2年生だ?学校は楽しい?」

「まぁまぁ楽しいかな。でもガキばっかりだし」

いやいやいやいや、君も十分ガキだろう。 全くどんな育て方をしたらこんな生意気に育つのだろう。

さっきまで親の顔が見て見たいって言ってしまったけれど、この子の親…樹くんなんだよね。それは今でも信じられない。

まさか彼が子持ちだったなんて…。だからか…。夜遅くまで仕事をしないって言っていたのも、私との夜を過ごした日も大慌てで帰って行ったのも。