『おはようございますッ』
『今日はいい天気ですねぇ~。
樹くんは何を食べた?私はコンビニのおにぎりを食べました。』
『現在昼の仕事の休憩中です!
今日職場のおばちゃんからアイスの差し入れ貰いました~
樹くんは甘い物好き?』


あの日から、私のライン攻撃が始まった。

しかし10通送って1通返ってくれば良い方。淡泊で質素なメッセージが。それでも返信をしてくれるという事実が嬉しかった。

『今度の日曜日仕事が休みです。良かったらどこかデートにでも行きませんか?』

ピロロンと珍しく返信が直ぐに返ってくる。驚きベッドから飛び降りて携帯を見ると『無理』と一言だけ返って着ていた。

そんな冷たい返事にもニヤニヤは止まらない。 画面をトップに切り替えて、樹くんの待ち受けに向かってチューをする。

たまらず『大好きです!』と返信すると『無理』と先程と同じ文章が返って着た。

返信は10通中の1通でも構わない。やっぱり彼は優しい人だ。なんだかんだ言ってこんな下らないメッセージの返信をしてくれるのだから。

「今日夜のバイトの前に会いにいっちゃおう…っと。」

樹くんの行動時間は何となく読めた。

彼は、社長で会社を興している人物にも関わらず、余り夜の商談やら接待はしないタイプらしい。

そういった類のものは、ある程度信頼している直属の部下に任せているらしい。これは、かおるちゃん情報だが。