「君は~~~~…そういう所だけは抜け目がないんだな…」

急いで携帯で文章を作ってメッセージを送ると、彼の胸ポケットに入っていた携帯がポロンとメッセージを受信した。

「これで満足か?」

「はい!超満足です!ありがとうございました!毎日100通程送らせて頂きます!」

「…それは大いに勘弁して頂きたい。
返事は期待しないでくれ。俺は君と違って忙しい。
それでは本当に急いでいるので、これで」

そう言ってくるりと背中を向けた。

「あ!待ってください!」

「まだ何か用事があるか?!」

慌てて鞄に入れて置いた便せんを取り出す。
それを彼の手に握らせると、不思議な顔をした。

「何だ…これは…まさかラブレターという奴ではないだろうな?」

「え?!手紙お好きですか?!
樹くんが手紙を好きならラインではなく毎日直筆の手紙を送りますッ」

「それはそれで大いに勘弁して欲しいものだ…
と、これは」

便せんを開いた彼は中身を見て、目を丸くする。