ジジイという言葉に樹くんはショックを受けたようで、その場で項垂れる。

満足そうに笑ったチビひなたは再び私の膝の上に乗って、ほっぺたにチュッと小鳥のような可愛いキスを落とした。

「陽向~~~~ッ」

「デカひなたも今はお父さんの事が好きでも、きっと気持ちなんて変わっちゃうよ。
僕は将来絶対お父さんよりかっこよくなるし、お医者さんにもなる。
若くて将来有望な男の方がいいだろう?」

「そりゃあ、まあ…」

「君も!何を陽向の話に乗って満更でもないような顔をしている!
駄目だ、駄目だ。そんな結婚は認められん!」

樹くんの怒りが何故か私の方へ飛んでくる。
そんな樹くんを無視したまま、チビひなたは私へと大きな瞳を向ける。

「ひなた、大好きだよ。僕とずっと一緒にいてね」

何て可愛らしいの。樹くんを尻目に思わずチビひなたをぎゅーっと抱きしめる。 柔らかくって今にも壊れてしまいそうな小さな体。

ずっと守って行くと決めた。

「私もチビひなたがだーい好き!!ずっとずっと一緒に居てね!」