「嘘じゃんッ!怒ってるじゃん!私の事敵みたいな目で見てたじゃんッ!
大好きなお父さんを取るなって…。私がまるで樹くん目当てであの子に近づいたみたいに…
いや…実際最初は樹くんに子供好きアピ出来るかもとかってやましい気持ちはあったかもしれないけれど…
チビひなたと仲良くなれば樹くんと付き合えるかもーとかそんな気持ちが少しもなかったと言ったら嘘になるかもだけど…
そう思えばあの子が言ったように私って樹くん目当てでチビひなたに近づいたのかも
ああ、神様…愚かな私をお許しくださいませ。どうか、人を欺き利用しようとした私に罰をお与えくださいませッ!」
「だから君は…心の声が駄々洩れなのだが…」
箸をテーブルに置いて、呆れたように笑う。
「陽向は、君が好きなんだと思う」
「まさかッ……初めから嫌われていた!やっと心を開いてくれたかと思ったのに!」
「いや、俺は父親だから陽向の気持ちはよく分かる。
大好きなお父さんが取られたからショックな訳ではないのだ。
俺が、陽向の大好きな君を取ってしまったから悲しんでいるんだ。」



