「なんつー不細工な顔で泣くんだ…」
「ひ、ひどッ。ぶぇええええん!」
「おいおい、本当に君は…。陽向よりも子供だな…」
目から鼻から、体のありとあらゆる場所から汁が零れて止まらなかった。
樹くんは呆れながらもそれをティッシュで何度も拭ってくれた。
「いつきく…チビひなたは…元気にしているの?」
「ああ、元気そうに学校に通っている。ちょっぴり俺に冷たくなったが…
そんなに気になるなら君も家に行って見ればいい。合鍵を預けよう」
「ひっく…、いらないよッ!それに私が家に行ったらチビひなたが嫌な気持ちになるのなんて分かってるもん。
これ以上ッ……ひっく…嫌われたくない…!」
「まるでこれじゃあどっちが恋人同士か分かったもんじゃないな…」
ティッシュを取り出し私に鼻をかませると、まるで子供にするように嗚咽の止まらない背中を優しく撫でる。
「君は何か誤解をしている様だが…陽向は怒っている訳ではない」



