それに人間関係がとても良く、毎日おばちゃん達から貰えるお菓子の差し入れは私の楽しみでもある。

ジョージさんも噂によると有名なオフィスを定年退職したらしい心優しいおじちゃんである。自分を’ジョージ’と呼んでくれと言ってきた、中々にファンキーで面白い人だ。

私とはペアで作業をする機会がとても多い。

今日もジョージさんと一緒で、私は梯子に登って、高い場所の窓ふきをしていた。

「それにしてもひなたちゃんは若いから清掃なんつー仕事じゃなくってももっとあるだろう?」

「いいの。私掃除は嫌いじゃないもん。
それにここの人達皆優しくって好きなんだも~んッ」

「若いのに珍しいよね。ひなたちゃんは可愛いんだから、洋服屋さんや雑貨屋さんなんかでも仕事は沢山あるだろうに」

「可愛い~?ジョージさんありがとうッ。
でも私結構ここでの仕事気に入ってるんだよね。
ビルがぴっかぴっかになるのは何だか嬉しいし、大きなオフィスビルだから都会の人たちも沢山見れるし
何かそれだけでも得した気分になるッ。それにこんな大きな窓から入る太陽はきっらきらに輝いて気持ちが良いよねぇ~ッ」

見上げたジョージさんは皺だらけの顔をこちらに向けて、優しい眼差しを向けた。

「ほんと、今時若い娘さんにしては珍しい。
私らにとっては、ひなたちゃんが太陽みたいだよ…」

「太陽?!私が?!」
嬉しい!そう思って梯子の上からジタバタしていたら、危うく落ちそうになった。