ジーっと樹くんに見入ると、彼は不思議そうな顔をして首を傾げる。
「どうしたんだ…?」
「いえいえ~ッ今日もかっこいいですねぇ~っと思いまして!」
「別にいつも通りだが?全く変な子だな」
冷たくないですか?! あのキスは?! 週4回も同じ屋根の下にいるのに、どうして何もしてこないの?!
毎日毎日こちらの準備はオッケーなんですけど?!は?!まさか… どこかで性欲は発散させてきているの…? それはないよぉ~…。家に私が折角居るんだから、発散させるなら是非ともこの私に。
だってタダだよ?!…別に遊びでもいいのに。
悶々としていると、樹くんのデコピンがおでこに飛んでくる。
「痛!」
「何を一人で勝手な妄想を繰り広げている。
それよりも今日は疲れた…」
疲れた?疲れたって本当に仕事で?それともまさかどこかで私の知らない女性と?
私がこの家で家政婦紛いの事をしているのをいい事に、まさか…。
「疲れたのは仕事のせいだ。君の思っているような事はしていない。」
「な、、、何で心を読むの?!」
「君は思っている事が顔に出過ぎている。
陽向の為にいつも早めに帰らないといけないと仕事は部下に任せっぱなしだった。
そんな俺についてきてくれる社員には感謝だが、気が引けていた所だった。だからここ1か月は本当に助かっている
それより俺はお風呂に入ってくる」