触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜

昨日の分と合わせて一気に仕事をこなして、予定していた今日の分までようやく終わらせた頃には、22時を過ぎていた。

一応、新入社員という立場の茜ちゃんには、ここまで長い残業はさせられないため、先に帰ってもらった。

1人だけのフロアで、しかも総務部のエリアにしか照明がついていないせいか、途端に心細くなる。



夕方にコンビニで買ったサンドイッチのゴミを片づける。その途中、朝に気づいた元彼からのメモの存在を思い出した。



日にちを来週の水曜日、残業のない日を指定したのは、きっと彼の優しさだと思う。

今思えば、半年もよく我慢してくれたものだ。キスはおろか、手も繋がせなかった私に。

子どもみたいな付き合い方かと笑われそうだけど、体の関係はなくても色々なところに行ったし、楽しかった。


ただ、戻る気はない。


そもそも来週の水曜日、会って何を話すというのか。「寄りを戻したい」という話なら、行かないほうがいい。

元彼と2人きりで会うなんて、私が澪ちゃんの立場だったら絶対に嫌だ。