触らないでよ！〜彼氏に振られたその日、女の子(？)に告白されました〜

いつもよりだいぶ遅い時間に茜ちゃんの家を出る。

茜ちゃんが住んでいるアパートは大学が近いため、近くに学生用のアパートや寮が多く並んでいた。
茜ちゃん自身もそこに大学生の頃から住んでいるらしい。

駅からも近く、私たちの会社にも1駅で着く。かなり利便性の高いところに住んでいる。

うらやましいと言ったら、その分、部屋が狭いんですけどねと茜ちゃんが笑った。



ちょうど通学時間とかぶるのか、すれ違う人のほとんどが若い。

茜ちゃんが去年まで通っていたという大学を通り過ぎて、駅までの道を歩く。


ーー大学生か、澪ちゃんも大学生なんだっけ。


そんなことを思っていたせいか、向こうから本当に澪ちゃんらしい人が歩いてきた。

あのファーのついたジャケットには見覚えがある。



「ミカさん！？」



やっぱり、澪ちゃんだ。