触らないでよ！〜彼氏に振られたその日、女の子(？)に告白されました〜

あれから2度ほど吐いて、結局胃の中身が空っぽになった。
立てるくらいには楽になったけど、体の中には既に1杯目のアルコールが回っている感じがする。

完全に前後不覚になった私を茜ちゃんが支えて、居酒屋前まで呼ばれたタクシーに２人で乗り込む。

運転手と茜ちゃんが交わす会話を聞き流しながらタクシーの窓に頭を預けて、ゆっくりと動き出したところで目を閉じた。










「ーーミカさん、着きましたよ」



軽く腕を揺すられて起こされる。

そんなに長い距離を走っていないように感じる。

ぼんやりとした頭で茜ちゃんに促されるままタクシーを降りると、全く知らないアパートの前だった。



「ミカさん、ひとりで帰れる状態じゃなかったので、すみません。
急ですが、今日は私の家に泊まっていってください」

「……え、ありがとう」

「こっちです」