「違うよ!?」

「あれ、そうなんですか? 付き合ってるんだと思ってたのに」



茜ちゃんにバレていたのは予想外だった。
もしかしたら他の社内の人にもバレてたんじゃ……。
いやでももう別れてるし……。



「でもケンカして仲直りしてすぐイチャつくってすごい仲良しですね、うらやましい」

「茜ちゃん、これ、もしかして結構わかりやすい位置についてる?」



自分じゃ見えない。

フォークを口にくわえながら茜ちゃんが首をかしげる。



「どうなんでしょう、私はこうやってミカさんと向かい合ったりする時間が多いからたまたま目に入っただけで、髪で隠れてるときもあるしそこまで気にするほどではないんじゃないですか?」



それを聞いて安心、できるわけない。
今すぐ席を立ってトイレで確認したい。

須賀さんが朝笑ってたのって、もしかしてこれ!?

急に恥ずかしくなって、今ここにいない澪ちゃんに問いつめたくなる。



「ミカさーん、チーズ固くなっちゃいますよー」



茜ちゃんの声が少し遠くで聴こえるくらい、悶々と考え込む。