「澪ちゃんも寝るの?」

「んー」



「うん」なのか考え中なのかよくわからない曖昧な返事をして、私の頭の下に腕を差し込む。



「……あの、一緒に住む話なんだけど」



向かい合ったかたちで澪ちゃんの胸あたりを見ながら、さっきのお風呂でのぼせるまで考えていたことを伝えた。





「そんなに思い入れあるなら、家具はさ、ミカさんの使ってもいい?
俺はスピーカーとDVDがあればいいし」

「私はそれだとありがたいんだけど……。 あ、冷蔵庫は澪ちゃんの使っていい? うちのより大きいから」

「いいよ。そうやってお互いの部屋で気に入ったやつは流用していけばいいんじゃない?」

「すごいね、澪ちゃん。考えてるんだね」



私の言葉に澪ちゃんが「違うんだよ」と笑った。



「ミカさんが同棲を断る理由をつぶしてるだけ。なにがなんでも一緒にいたいから」



頭に触れる唇がぐっと近づいて、背中へ回った手に力がこもる。

こんな、私に対する意地のような執着のような感情を見せられて嬉しいと思うなんて……。