目をつぶって少しうとうとしていたら、いつの間にかシャワーを終えた澪ちゃんがベッドに腰をかけていた。

髪を撫でられるくすぐったさで目が覚める。



「……あ、おかえり」

「ただいま。ミカさん、髪乾かしていい?」



澪ちゃんの手にはドライヤーが握られている。

乾かしてくれると言うので、ベッドから降りた澪ちゃんの前に座る。


澪ちゃんの手が髪の束を梳く。
自分じゃ何も感じないのに、澪ちゃんに触られるとくすぐったくて気持ちいい。

出会った当初から、澪ちゃんはよく私の頭を撫でる。



「ミカさんの髪、子猫みたいに柔らかくて好き」



乾いた後もするすると手を滑らせる。



「子猫?」

「うん。ふわふわしてて気持ちいい。
だから俺、寝るときすげえミカさんの髪触ってると思うんだけど」



細くてくせがつきやすくて、自分の髪質があまり好きじゃなかったから、そう言われると嬉しい。



「私も澪ちゃんに撫でられるの好き。
気持ちよくて、すぐ眠くなる」

「寝てていいよ」

「ん」



言われてすぐにベッドに潜り込む。

ドライヤーを片付けに澪ちゃんが寝室を出ていって、リビングの電気を消した後すぐに戻ってきた。