それぞれ注文したカツカレーと定食を受け取って席に着く。
周りが学生だらけだから、ちゃんと溶け込めているか浮いていないか少し不安になる。



「すごい量だね、カレー」



今まさにスプーンですくおうとしている澪ちゃんに話しかける。



「でしょー? コスパめっちゃいい、素晴らしい」

「一口もらっていい?」



あまりにおいしそうだから、つい言ってしまった。



「ーーいいですよ? はい、あーん」



にやにやしながら一口分のカレーを差し出される。
自分から言ってしまった手前、今さら拒否できずに体を伸ばしてスプーンを口に入れる。

こんな大勢で言わなきゃよかったと思ったけど、周りは全く私たちの方を見ていなかった。学生同士だとこういう光景も当たり前なのかと、ジェネレーションギャップに驚く。



「ミカさんからねだってくるなんて……」

「ねだるとか言わないで恥ずかしいから!」



しみじみと感慨深そうに笑う澪ちゃんをたしなめる。