触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜

「さて、どうしますか? 目、大丈夫そうなら学食行く?」

「んー、そうだね。いっぱい泣いたらお腹すいてきたかも」



持ってきた私服に着替えるため、寝室を借りる。
クローゼットから許可を得てハンガーを借りる。
初めて見るその中身はメンズとレディースの服が半分ずつ収まっていた。

一瞬、妙な気持ちになったけど、それがすべて澪ちゃんのものだと思い直す。



「ミカさんって、童顔なのに私服も幼いから未成年に見える」



着替えて寝室から出てきた私を見て、澪ちゃんが首をかしげた。



「それは褒めてないね?」

「あー、じゃあ若く見える」

「嬉しくない」



澪ちゃんを無視して玄関に向かう。

後から追いかけてきた澪ちゃんと一緒に部屋を出て、どちらからともなく手を繋いだ。

嬉しそうに澪ちゃんが笑う。



「学食でオススメのメニューある?」



日が暮れて、街灯と民家の明かりだけの道を並んで歩く。



「んー、今日は水曜日でしょ……、あ、俺カツカレーの日だ」

「なにそれ」

「水曜日はカレーが安いんだよ。あと仕事もないから、だいたいカツカレー食べてる」



それはオススメなのか?と思いつつ、澪ちゃんはやっぱり細いのにガッツリしたものを頼むんだなと納得した。
初めてデートしたときもそうだった。