初めて澪ちゃんを見たとき、こんなにキレイな人に泣き顔を見られて正直女として恥ずかしかった。
でもそんなことが吹き飛ぶくらいに澪ちゃんもサラサさんも優しかった。
私が振られて泣きながら店に来る度に、サラサさんは手を握ってくれたし、澪ちゃんは頭を撫でてくれた。それで何度も救われた。
「もう2年以上この格好してると慣れてくるよねー。途中から目的変わってきたし」
「目的?」
「合法的にミカさんに触ること。俺、基本的に自分のことしか考えてないから」
「……………………」
ーーあれ、さっき私、感動してたのに。
感慨深い気持ちになっていたら、あの優しさがただの本人の自己満足だったことに驚愕する。
「じゃあもう私と付き合ってるなら、女装やめちゃうの?」
「どうだろ、サラサさんが許してくれるなら辞めれるけど。
あぁでも仕事以外でこの髪型でいるのはさすがに辞めるかなぁ。もうすぐ卒論発表しなきゃだし、スーツ着なきゃだし」
「それって地毛?」
「エクステつけてる。地毛はミカさんと同じくらいだよ」
「ほら」と言って澪ちゃんが髪をかきあげた。
その仕草がいちいち色っぽいというかサマになっているというか。
茜ちゃんの言葉を思い出す。
「ミカさん、俺が髪切ったら触れなくなったりしてね」
「あ、私もそれ思った。しかも私、女の人でもいけるかもしれない。さっきの澪ちゃん見たらすごいドキドキしちゃった」
「待って、ごめん、冗談だから」
「茜ちゃんがね、澪ちゃんと別れて私と付き合いませんかって。男の人より女の人の方がなんか触ってて安心するって澪ちゃんと付き合ってて思ったし」
「ごめん、ほんとやめて、泣くよ俺」
私の肩に手を置いてうなだれる。
いつも澪ちゃんに言いくるめられてるから、たまにはこういうのもいいかもしれない。楽しい。
でもそんなことが吹き飛ぶくらいに澪ちゃんもサラサさんも優しかった。
私が振られて泣きながら店に来る度に、サラサさんは手を握ってくれたし、澪ちゃんは頭を撫でてくれた。それで何度も救われた。
「もう2年以上この格好してると慣れてくるよねー。途中から目的変わってきたし」
「目的?」
「合法的にミカさんに触ること。俺、基本的に自分のことしか考えてないから」
「……………………」
ーーあれ、さっき私、感動してたのに。
感慨深い気持ちになっていたら、あの優しさがただの本人の自己満足だったことに驚愕する。
「じゃあもう私と付き合ってるなら、女装やめちゃうの?」
「どうだろ、サラサさんが許してくれるなら辞めれるけど。
あぁでも仕事以外でこの髪型でいるのはさすがに辞めるかなぁ。もうすぐ卒論発表しなきゃだし、スーツ着なきゃだし」
「それって地毛?」
「エクステつけてる。地毛はミカさんと同じくらいだよ」
「ほら」と言って澪ちゃんが髪をかきあげた。
その仕草がいちいち色っぽいというかサマになっているというか。
茜ちゃんの言葉を思い出す。
「ミカさん、俺が髪切ったら触れなくなったりしてね」
「あ、私もそれ思った。しかも私、女の人でもいけるかもしれない。さっきの澪ちゃん見たらすごいドキドキしちゃった」
「待って、ごめん、冗談だから」
「茜ちゃんがね、澪ちゃんと別れて私と付き合いませんかって。男の人より女の人の方がなんか触ってて安心するって澪ちゃんと付き合ってて思ったし」
「ごめん、ほんとやめて、泣くよ俺」
私の肩に手を置いてうなだれる。
いつも澪ちゃんに言いくるめられてるから、たまにはこういうのもいいかもしれない。楽しい。

