「ただいまー」
玄関のドアが開く音と澪ちゃんの声がほぼ同時に聞こえた。
慌ててアルバムを元に戻す。でも玄関とリビングは数歩ほどの距離しかなくて、ちょうどアルバムを持って背伸びをしているところで澪ちゃんと目が合った。
「……見たな」
「……ごめん。でも澪ちゃん昔からキレイだったんだね! 笑ってると可愛いし、すごいね、モテたでしょ!」
「モテましたよー、そりゃ。俺可愛いから」
謙遜せずに言い切りながら、私からアルバムを取って元に戻す。
「なんで誰とも付き合って来なかったのか本当に謎」
「付き合うって好きな人とすることでしょ? 好きでもない人に告白されて付き合う人いるの?」
ーー私かな、それ。
黙っていたら、澪ちゃんが納得したように「あぁ」と頷いた。
「ミカさんはねぇ、なんだろう、意地みたいなもんだよね。この人がダメだったから次、みたいな」
「……そうかもしれない」
「俺に触れて良かったね。ていうか俺が女装してて良かったね」
「そういやなんで澪ちゃんって女装してるの? 趣味?」
「は!? あ、言ってなかったか……」
それから澪ちゃんはどうして女装することになったのか話してくれた。
きっかけは、なんてことはないサラサさんとの賭けに負けたかららしい。
初めは1回だけのつもりが、女装して店に立ったその日の売上がとんでもなく大きかったらしく、サラサさんの懇願もあって今に至るそうだ。
玄関のドアが開く音と澪ちゃんの声がほぼ同時に聞こえた。
慌ててアルバムを元に戻す。でも玄関とリビングは数歩ほどの距離しかなくて、ちょうどアルバムを持って背伸びをしているところで澪ちゃんと目が合った。
「……見たな」
「……ごめん。でも澪ちゃん昔からキレイだったんだね! 笑ってると可愛いし、すごいね、モテたでしょ!」
「モテましたよー、そりゃ。俺可愛いから」
謙遜せずに言い切りながら、私からアルバムを取って元に戻す。
「なんで誰とも付き合って来なかったのか本当に謎」
「付き合うって好きな人とすることでしょ? 好きでもない人に告白されて付き合う人いるの?」
ーー私かな、それ。
黙っていたら、澪ちゃんが納得したように「あぁ」と頷いた。
「ミカさんはねぇ、なんだろう、意地みたいなもんだよね。この人がダメだったから次、みたいな」
「……そうかもしれない」
「俺に触れて良かったね。ていうか俺が女装してて良かったね」
「そういやなんで澪ちゃんって女装してるの? 趣味?」
「は!? あ、言ってなかったか……」
それから澪ちゃんはどうして女装することになったのか話してくれた。
きっかけは、なんてことはないサラサさんとの賭けに負けたかららしい。
初めは1回だけのつもりが、女装して店に立ったその日の売上がとんでもなく大きかったらしく、サラサさんの懇願もあって今に至るそうだ。

