私の相手が男か女か、執拗にこだわる。
ーーこの人は、私に好きな人ができたから怒ってるんじゃない。
私の好きな人が、女だから怒っている。
それを信じられないし、許せないでいるんだ……。
言葉の真意が見えてゾッとする。
別れ話をした日、お互い上手に別れたつもりだった。向こうも私に好きな人がいると聞いて、アドバイスできるくらいには普通に接してくれていた。
でもそれは、私の好きな人が男だと思ったからだ。
それなのに、あの夜、私が女の格好をした澪ちゃんと抱き合っていたのを見て、信じられないという気持ちが出てきたのだろう。
「女にとられた」ことで、きっとこの人のプライドは粉々になったのかもしれない。
同性愛に対して、こういう考えの人がいるのもわかる。わかるけど澪ちゃんは……。
何も言えずに立ち尽くしていたら、腕をつかまれた。
恐怖に体が支配されて、ちっとも動かない。体温が引いていく。
周りは遠巻きに私たちを見ていた。
「ーー女だって、ひとことも言った覚えねえけど」
耳元で低い声がした。
ーーこの人は、私に好きな人ができたから怒ってるんじゃない。
私の好きな人が、女だから怒っている。
それを信じられないし、許せないでいるんだ……。
言葉の真意が見えてゾッとする。
別れ話をした日、お互い上手に別れたつもりだった。向こうも私に好きな人がいると聞いて、アドバイスできるくらいには普通に接してくれていた。
でもそれは、私の好きな人が男だと思ったからだ。
それなのに、あの夜、私が女の格好をした澪ちゃんと抱き合っていたのを見て、信じられないという気持ちが出てきたのだろう。
「女にとられた」ことで、きっとこの人のプライドは粉々になったのかもしれない。
同性愛に対して、こういう考えの人がいるのもわかる。わかるけど澪ちゃんは……。
何も言えずに立ち尽くしていたら、腕をつかまれた。
恐怖に体が支配されて、ちっとも動かない。体温が引いていく。
周りは遠巻きに私たちを見ていた。
「ーー女だって、ひとことも言った覚えねえけど」
耳元で低い声がした。

