触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜

午前中の業務は、隣が地獄だった。

朝のエレベーターでの出来事のせいで変に意識をしてしまって、まともに顔を見られない。

仕事に関係のある質問で、茜ちゃんがイスを近づけてこちらに来ようとしたときも、体を引いてしまった。

黙々と真面目な顔でキーボードを叩いている茜ちゃんはさらに怖い。



「ミカさん、お昼行きましょう」

「……そうだね、行こうか」



茜ちゃんを気にしすぎて、自分の仕事があまり進まなかった。

ーーあぁ、この書類、午前中にハンコもらいに行かなきゃいけなかったのに。

ファイルに挟まれた書類を見てうなだれる。



「どうかしました?」

「……んー、なんでもない……」



茜ちゃんは悪くない。と思いたい。