「茜ちゃん、近い……」
「遠くの親戚より近くの他人ですよねぇ?」
「何の話……」
「ミカさん、澪ちゃんと別れて私と付き合いませんか?」
「いやいやいやいや! 」
「ミカさんがこのまま澪ちゃんを女だと思ってたら私でもいけたのに、なんでバレちゃったの?
私がせっかく黙っててあげてたのに、あぁそうか、そういうことか」
茜ちゃんの指が私の首筋を撫でて、器用にブラウスのボタンに手をかける。
背中に冷たいものが走って叫び出しそうになる。
タイミングがいいのか悪いのか、エレベーターが15階に到着してドアが開いた。
「ーーなにしてんのお前ら」
「早坂……!」
茜ちゃんの肩越しに見えるフロアの入口に、元彼が立っていた。
今まさに自動ロックを開けようとしているところなのか、首にぶら下げたカードキーを持ってなんとも言えない顔をしている。
「ミカ、やっぱり高橋さんのこと」
口元に手を当てて「やばいものを見た」ような顔になった。
「あ、昨日ミカさんにフラれてた人だ」
茜ちゃんは何事も無かったように私から離れて、すれ違いざまに早坂に言い捨てた。
そのまま彼を押しのけて、カードキーをセキュリティ機器にバシッと押し付けフロアに入っていく。
「やっぱり俺嫌われてんじゃん……」
「いや、たぶん今の茜ちゃんは誰に対してもあの態度だよ……」
茜ちゃんに外されたブラウスの一番上のボタンを直して、キスマークがついていると言われた首を髪で隠してから、やっとフロアに入った。
「遠くの親戚より近くの他人ですよねぇ?」
「何の話……」
「ミカさん、澪ちゃんと別れて私と付き合いませんか?」
「いやいやいやいや! 」
「ミカさんがこのまま澪ちゃんを女だと思ってたら私でもいけたのに、なんでバレちゃったの?
私がせっかく黙っててあげてたのに、あぁそうか、そういうことか」
茜ちゃんの指が私の首筋を撫でて、器用にブラウスのボタンに手をかける。
背中に冷たいものが走って叫び出しそうになる。
タイミングがいいのか悪いのか、エレベーターが15階に到着してドアが開いた。
「ーーなにしてんのお前ら」
「早坂……!」
茜ちゃんの肩越しに見えるフロアの入口に、元彼が立っていた。
今まさに自動ロックを開けようとしているところなのか、首にぶら下げたカードキーを持ってなんとも言えない顔をしている。
「ミカ、やっぱり高橋さんのこと」
口元に手を当てて「やばいものを見た」ような顔になった。
「あ、昨日ミカさんにフラれてた人だ」
茜ちゃんは何事も無かったように私から離れて、すれ違いざまに早坂に言い捨てた。
そのまま彼を押しのけて、カードキーをセキュリティ機器にバシッと押し付けフロアに入っていく。
「やっぱり俺嫌われてんじゃん……」
「いや、たぶん今の茜ちゃんは誰に対してもあの態度だよ……」
茜ちゃんに外されたブラウスの一番上のボタンを直して、キスマークがついていると言われた首を髪で隠してから、やっとフロアに入った。

