ほどなくして、澪ちゃんが戻ってきた。
布団に潜り込んで抱きしめられる。
うとうとしていたから服を着るのを忘れていた。



「ーーそういやミカさん、明日は何時に出るの?」

「……あ、そっか、服取りに行かなきゃだから結局早く出なきゃいけないのか……」


ぼやけた頭で逆算して考える。

ここから駅まで20分でそこから家に戻って着替えてだから……始発?



「送っていきますよ、車で」

「澪ちゃん車持ってるの?」

「私じゃなくて友達がね。ちょっと待ってて、電話してくる」

「こんな夜中に!?」

「大丈夫、どうせ研究かなんかしてて起きてるから」



せわしなくベッドから離れる。
その間に足元で丸まっていた服を拾って身につけた。下腹部が痛い。シーツも少し濡れて冷たくなっていた。

時間を知りたかったけど、「あと何時間眠れる」と計算してしまいそうだからやめた。



「明日、鍵持ってきてくれるって」

「友達、電話して怒ってなかった?」

「全然。いいよーって言ってた」



再度ベッドに入ってくる。
布団をめくったところで澪ちゃんが声を上げた。


「じゃ、寝ますかー。あ、なんで服着てんの!」

「いや、澪ちゃんだって着てるじゃん」



「もう」と不満げに頬を膨らませて隣にくっつく。
胸の位置に私の頭を置いて、髪を梳くように撫でるのがデフォルトになってきた。
気持ちよくて、すぐに眠りそうになる。