そんなに時間が経っていないはずなのに中のものが引き抜かれた。


ーーもう終わり?

女の子同士でするときのゴールがわからないから戸惑う。



「ミカさんちょっとごめん、後ろ向いて」



返事をする前に、腰を持ち上げられてうつ伏せにされる。
柔らかい枕に顔が埋まって、息がしづらい。



「ーーっ」



さっきと同じところに入れられたのに、違う感覚が襲ってくる。



「……こっちのほうがいいか」



何かを確かめるように澪ちゃんがゆっくりと動く。その度に体の奥がぎゅっとなる。
腰を少し浮かせた状態の隙間から指が入ってきた。



「ーーやだぁっ」



リビングで触ったときと同じ場所を器用に探り当てられる。
枕を抱きしめてその中で声をあげる。

だんだんと澪ちゃんの動きが早くなって、私と同じくらい呼吸が荒くなる。
何度か経験した体が震える感覚。
別の意思を持ったみたいに自分の中が動いている。

おさまったのを見計らって、中のものが抜かれる。
背筋を撫でられたときと似た感じがして、体が跳ねる。

息を吐くうちに唾液まみれにしてしまった枕を申し訳なく思った。
足元で澪ちゃんがなにかしている音がしてから、また頭が隠れるくらい布団をかけられた。


澪ちゃんが布団ごと私を抱きしめて頭を撫でながら「よしよし」とあやすように呟いた後、ベッドのスプリングがトランポリンのように軋んだ。


服を着て寝室を出ていく澪ちゃんの後ろ姿を見ながら、酸欠状態の頭で、「道具の後処理とかあるのかな」なんて他人事のようにぼんやり考えた。