「大丈夫でした?」
「……うん」
「茜さん、今日誕生日なのに付き合っている人にドタキャンされたみたいで今の今までここで愚痴ってたんです。
その人、私の先輩なんですけど、外見というか雰囲気がミカさんに似てるんですよね。
だから今のはただの八つ当たり。
気にしなくていいですよ」
「そうなんだ」
前に茜ちゃんが言っていた「適当な人」という言葉を思い出す。
「適当に来てご飯を食べて適当にセックスをして帰っていく適当な人」。
私も茜ちゃんにそう思われていたのだろうか。軽いやつだって言ってたし……。
茜ちゃんが飲み残して行ったグラスを片付けるために、澪ちゃんが私の後ろを通る。
この前みたいに抱きしめられるかと思って、体が一瞬縮まる。
「ミカさん、今日、どうして元彼と一緒にいたの?」
でもそんなことはなくて。
カウンターを拭きながらこちらを見ずに、澪ちゃんが言った。
私の話はまだ終わっていなかった……。
「……ちゃんと別れ話をしようとしたの」
「え、もしかして時期かぶってる?」
やっと目が合ったと思ったら動揺している。
「……うん」
「茜さん、今日誕生日なのに付き合っている人にドタキャンされたみたいで今の今までここで愚痴ってたんです。
その人、私の先輩なんですけど、外見というか雰囲気がミカさんに似てるんですよね。
だから今のはただの八つ当たり。
気にしなくていいですよ」
「そうなんだ」
前に茜ちゃんが言っていた「適当な人」という言葉を思い出す。
「適当に来てご飯を食べて適当にセックスをして帰っていく適当な人」。
私も茜ちゃんにそう思われていたのだろうか。軽いやつだって言ってたし……。
茜ちゃんが飲み残して行ったグラスを片付けるために、澪ちゃんが私の後ろを通る。
この前みたいに抱きしめられるかと思って、体が一瞬縮まる。
「ミカさん、今日、どうして元彼と一緒にいたの?」
でもそんなことはなくて。
カウンターを拭きながらこちらを見ずに、澪ちゃんが言った。
私の話はまだ終わっていなかった……。
「……ちゃんと別れ話をしようとしたの」
「え、もしかして時期かぶってる?」
やっと目が合ったと思ったら動揺している。

