触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜

茜ちゃんは、前回の私ほど吐くまでは飲まなかったけど、自力で立てないくらいには酔っ払っていた。
店の人にタクシーを呼んでもらって、それに乗り込む。

受け答えはかろうじてできる茜ちゃんに住所を聞いて、アパートの前まで走ってもらうことにした。
一度行ったことのある場所だから、帰りはきっと大丈夫だろう。早い時間から飲んだおかげで、まだ電車の本数もある。



「……なんか、この前と逆になっちゃいましたね」

「そうだね、でも私よりはマシだよ。私のほうがひどかった」



さっきの、恋人を「適当な人」と吐き捨てた辺りから茜ちゃんの様子がおかしくなった。

付き合っている人と喧嘩でもしたのだろうか。

どこまで立ち入っていいのかわからず、お互い窓に映る景色を見ていた。