「リッカ…?な、名前は?教えてくれないの?」

「今はまだ、ね。私はなんて呼べばいい?」

しばらく考えたが、いいあだ名は思いつかなかった。

「じゃあ、レンって呼んで」

リッカはわかったと言って

きれいに編んでいたおさげのゴムを外して

解き始めた。

「リッカって、何年生なの」

「高校1年生だよ」

「え!?同い年かと思った…」

「なにそれー。レンは……、中3?」

「そうだよ。よくわかったね」

まぁねとドヤ顔をするリッカの顔を見て、

ここに来てよかったとふと思った。

廉人の心に降り注いでいた雨は止んでいて、

かと言って晴れ渡ることはなかったが、

心地よく過ごしやすい環境だった。