「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

肩で大きく息をしながら

鳥居をくぐって右折する。

少女は来ていなかった。

まだ落ち着かない呼吸が

今日の昼のことを思い出させる。

もう慣れてしまって辛くなんかないはずなのに、

思い出すたびに涙が出る。

「っ、ごめんなさいっ、…ごめんなさいっ、

………ぅ、ごめ、っ」

「ねえ」

突然の呼びかけにびくっと肩を揺らして

振り向けば、昨日の少女が猫と共に

そこに立っていた。