パパが残してくれた別荘は、洋風二階建て。


大きな門を入ると、かなり広めのお庭がある。


ガーデニングが好きだから、引っ越してすぐにお花もたくさん植えて、毎日手入れをしてる。


小さな噴水もあって、テーブルやイスもあるから、晴れた日はそこでお茶を飲みながら読書したりして。


夢中になるとつい時間を忘れてしまうような…


そんな心が落ち着く場所。


横長の建物の中央にある玄関ドアを開けると、まず、明るい光が射し込むロビーが広がる。


1階左側にかなり広めのリビング、その奥にはダイニングキッチンがあり、ロビーを挟んで反対側に、旦那の部屋とお義母さんの部屋がある。


2階の1番奥には私の部屋、そして、ゲストルームが5部屋。


他にもいくつか部屋があって、バスルームも2箇所ある。


普段は私が掃除してるけど、この広さじゃやっぱり大変だから、これからは週に1度業者さんに入ってもらうことにした。


食事に関しては、栄養士の資格を持っている私が料理を作る。


なるべく一緒にみんなで食事するって、それがパパの遺言だから、平日の朝と夜だけは頑張って作らないとって思ってる。


もちろん大変なのは最初から覚悟してる。


それでもやっぱり…


何が起こるかわからない新しい生活の中で、ほんの少しでも「生きがい」を見つけたいと願う自分がいた。