他にもたくさんの建物がある。


ここで文都君は毎日勉強してるんだ…


そう思うと、母親代わりとしては何だか感慨深い。


大学の4年生。


医学部は6年間だから、あと3年ここに通うんだね。


お医者さんになるって本当に長い道のりで大変。


偉いな…文都君。


『レストランはあっちです。お腹空きましたね。何たべようかな』


楽しそうに話す文都君。


『そうだね。お腹空いたね』


ふと周りを見ると若い学生さんばかりで、急に自分が場違いじゃないかって緊張し出した。


大学に来たんだから当たり前なんだけど、やっぱり変な感じがして「私、ここに居てもいいの?」って聞きたくなった。


『文都!』


その時、文都君を呼ぶ大きな声が聞こえた。


突然の声に2人して振り返ると、誰かが急いでこっちに近づいてきた。


『達也!もう来てたの?早いね』


『ああ、ちょっとね。女子たちと約束があるからさ~ん? こちらの女子はどなたさん?』


だ、誰?この超ハイテンションなホスト系イケメンは。


『ほら、話しただろ。僕が住んでる家の大家さん。ものすごくお世話になってるんだ』


『えー!大家さん!?大家さんっていうからもっと年上の人かと』


だから、誰?


一方的に進む会話になかなか入れない。


『すみません、結菜さん。彼は僕の友達の達也君です。医学部で一緒に学んでます』