私にもバレてるのが分かってて、わざと遊んでると思うと、やっぱりつらくて…悲しくて。


子どもの頃に母を亡くしてる私には、相談する相手もいなくて、ただ我慢する毎日に心が折れそうだった。


そんな私にパパは何となく気づいていたみたいで、「つらいことが多過ぎたら、いつでも帰ってきなさい」って、時々声をかけてくれた。


でも、私は…帰らなかった。


ううん、帰れなかった。


だって、大好きなパパにこんなことで心配をかけたくなかったから。


それから数年して、私はたまたま同級生の川崎誠君に出会い、彼の笑顔がボロボロになった私の心の隙間にスっと入り込んできた。


特別好きとか、一緒にいたいとか、そんな感情はなかったけど、気づけば川崎君に体を許してしまってた。


でも、不思議と後悔なんかしなかった。


川崎君に抱かれながら、旦那はもう何人もの女性とこうしてるんだって…そう思うと、申し訳ないなんて思えなかった。