『良かったら話して…少しでも祥太君の気持ちが楽になればいいなって思うから』


『…ありがとう』


そうつぶやく声には、いつもの半分くらいの元気しかなかった。


相当悩んでる?


私なんかにはとても荷が重いようなことだとしたら…何だか急に胸がドキドキし出した。


『とにかくサンドイッチ食べて。美味しいんだよ、ここの。ゆっくり食べてね』


私は、紅茶を継ぎ足した。


食べ方が綺麗で育ちの良さがうかがえる。


そして、チラッと見た横顔が本当に素敵。


祥太君はまだ若いけど、十分過ぎる程の色気をすでに持ち合わせている。


その大人びた顔立ちに、思わずグッと見入ってしまった。


『本当に美味しいね、さすが颯。お腹すいてたから一気に全部食べたよ。ご馳走さま』


両手を合わせる祥太君。


『は~い』


私は慌てて目を反らせ、何も見ていなかったように平然と返事をした。


『ねえ、祥太君。食べてすぐで申し訳ないけど、今抱えてるもの、良かったら全部吐き出して』


『うん。今、2人きりだしね。結菜ちゃんに心配かけたくないけど、でも…聞いてもらえたら嬉しい』


『もちろんだよ。何でも言って』