旦那と智華ちゃんだ。


私のお気に入りの場所で、仲良く談笑している。


庭のテーブルの周りに置かれた4つの白いイス。


私が、子どもの頃から家族で座っていたお気に入りの…思い入れのある大切なもの。


そこで2人が隣同士、時折、顔を近づけながら楽しそうに笑ってる。


本当なら誰が座ろうと構わない。


でも、何だか…


無性に嫌な感じがしたんだ。


そこに座らないでって。


私は湧き上がる嫌悪感を抑え、見て見ぬふりをして家の中に入った。


旦那が誰と話してても、誰と笑い合っていても…


私には関係ない。


そうよ…関係ないんだから。


『どうしたの?結姉』


顔を上げたら、そこに颯君がいた。


『寂しそうな顔してる』


『え…そ、そんなことないよ。それより颯君、挿絵の仕事は?』


颯君ごめんね、私、心配かけるような顔しちゃったね。


『一段落したから何か飲もうかなって。コーヒーもらっていい?』