『えっ、あっ、でも…』


私がモデルなんて嘘でしょ?


本気で私を描くつもりなの?


こんな年上の私を?


だけど、なぜだろう…


未来の画家さんに描いてもらえたらすごいなって…厚かましくもほんの少しだけ考えてしまった。


『それなら私も描いてもらいたいです。私、矢野ひなこ。19歳、大学生です。颯君、お願いします。私も描いて下さい』


私が答えに困っていると、ニコッと最高の笑顔でひなこちゃんがそう言った。


すごいな…自分からお願いするなんて。


やっぱり可愛いからモデルになることにも自信があるんだろう。


智華ちゃんは、美人。


ひなこちゃんは、可愛い。


その上、彼女たちはすごく若い。


そんな2人を近くで見ていたら、ただでさえ自分に自信がない私が、さらに自信を失くしてしまいそうだ。


ううん、ダメダメ。


智華ちゃんやひなこちゃんと比べてどうするのよ。


私は…みんなのお母さん代わりなんだから。