『あ、私の名前は上山 智華です。22歳です。先日、大学を卒業しました。よろしくお願いします』


本当に落ち着いた話し方。


鼻筋が綺麗に通ってて、目力もあって、男性を惹き付けるような魅力を持ち合わせた智華ちゃん。


こんな女性がいるだけで、周りが華やかになるから不思議だ。


『じゃあ、次は俺だね。名前は望月颯、21歳。美大に通ってて今は絵を勉強中。これからよろしく』


『「はやて」って、すごくカッコイイ名前だね。将来は画家?』


と、祥太君。


『画家になりたいとは思ってるけどね。子どもの頃からずっと絵を描いてたから。描くことが好きなんだって、自分でも思う。だけど、なかなか簡単にはいかないかな。やっぱり、誰かに認められなきゃ画家なんて名乗れないし』


『でも、画家さんとして、いつかは個展とかできたらいいね』


私がそう言うと、


『ありがとう。じゃあ結姉、今度、俺の絵のモデルになってよ』


思いがけないお誘いに驚いた。