朝夏は窓側を向き、後ろを向いたまま答える。 「俺、朝夏のことーー」 次の言葉を紡ごうとすると、朝夏が俺をギュッと抱きしめた。 「白崎くん。ありがとね、ほんとに。楽しかったよ。短い間だったけど、ありがとう」 朝夏は俺から離れると、トントンと肩を叩いた。 ーーそして、朝夏は俺の前から姿消した。 一輪の朝顔の花だけを残して。