「へぇ、俺の居ぬ間にそんなことが」
彼女ができたことでいくら女友達でもあまり二人きりにならないようにしていたのか、圭はあの日から一週間ぶりに私の部屋に遊びに来ていた。
「うん。詳しくは聞いてないけど……なんか真木君の友達が、気になってるぽくてさ」
「え、志帆を?」
「いや、里奈を」
「おぉ!いいじゃん!」
「よかないよ……」
つまりその日、二人がいい感じになってしまったら、私は真木君とお祭りを見ることになるかもしれない、ということで。
普段から男子とあまり話さない私は、間が持つか少し心配だった。それに最近話すようになったばかりなのに、いきなり二人きりになるのはハードルが高い気がする。
「真木のやつは話したこと無いからわからんけど、志帆なら大丈夫だろ。俺とは普通に話せるじゃん」
『いや、幼なじみとクラスメイトじゃ差がありすぎるよ』
圭のアホさ加減に思わずそう心の中で呟いて、私は曖昧に笑った。
「まぁ、そういうことで今年は4人で行くことになったよ。デート中もし出くわしたらごめんね」
「あぁ。里奈とその友達、うまく行くといいな」
面白そうだし、と最後に笑って、圭は帰っていった。



