「……あーあ、どうしよっか」

「何それ!本当にあの圭に彼女が!?」


次の日、学校で圭以外の唯一の親友でもある里奈(りな)にそのことを話すと、圭から初めて聞いたときの私と同じような反応をして、思わず笑ってしまった。

「あ、やっと笑った」

「……」

「もう……。でも、それは落ち込むよね」

すぐに真顔に戻ると、里奈はよしよしと私の頭を撫でてくれる。

「里奈ぁぁ、私もうどうしたらいいかわかんないよ……」

昨日、圭が帰ってから一人でアルバムを見ながら泣いた。そりゃあ泣きましたとも。
ずっと、圭に恋の噂なんて聞いたことがなかった。もしかしたら私を、なんて、思っていたこともあったのに。
急に、彼女ができて。あんなにそばにいて、何でも話して、聞いていたのに、えっそんなそぶりあった?いや、気づけなかったのは自分だ。

「あいつ、志帆のことが好きなんじゃないかと思ってたんだけどなぁ……」