「アイスこぼれちゃうから、離れて」

あぁ、なんてかわいくない言い方。そう思いながらも、口は勝手に動く。

「……あ、ごめん」

何かに気づいたように圭はそっと元の位置に戻り、黙ってアイスの続きを食べ始めた。小さい頃から一緒にいたからか、たまに距離感がおかしくなる時がある。さすがに高校生なので、最近ではちゃんと意識してくれている、らしい……けれど。今のようなことが起こると、ちょっと気まずい。そして何より圭が急に近くに来るのは、私の心臓に悪い。

最近はいつも、笑い合うたびにどこか切なくなる。このまま仲良くいたいけれど、それでは何か違うような、そんな気持ち。
幼い頃からそばにいて、なんでも言い合った。沢山けんかもしたし、仲直りもした。圭ほど私をわかってくれている友達はいないと思っていたし、楽しい時も悲しい時も一緒にいたのは、圭だった。

そのせいか、いつからか忘れたけれど、私は圭のことが好きになっていた。お気に入りの写真は、どれも圭とのツーショットだ。

今の心地いい関係を壊したくなくて、私はずっと想いを伝えないまま親友でいた。

けれどあることがきっかけで、私はついに決心した。

今年こそ、圭に告白すると!