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“俺じゃなくてあいつと幸せになって”

どうして知っているのか、そんなことも気にすることができないほどに最後まで散りばめられた彼の優しさに今にも泣きそうになるのをぎゅっと瞳を閉じて我慢する。

〈じゃあ家のことはまた連絡するから〉
『わかった…ごめんね』
〈最後はありがとう、の方が嬉しいかな〉
『…ありがとう、湊』