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ふと思う時がある。親しい友達の線引きはどうやってするのが正解なんだろう、と。
それとも正解なんてないのか、なんて。
『ごめん、待った?』
〈んー、全然〉
グラスに刺さったストローをぐるぐる回しながら考えていたら席に来た彼女。
きちんと集合時間の10分前だった。
『昨日は楽しかった?』
俯きがちにそう尋ねる彼女の表情に映し出された思いに、俺はどうして今まで気づかなかったんだろうか。
〈そんなんじゃない、って言ったら信じる?〉
『…え?』
〈親同士が仲良くて家族でご飯いかされてるだけだ、って〉
『…でも、あの子は、』
〈昨日ちゃんと振った〉
ぱっと顔を上げた彼女と視線がぶつかる。
〈それに…美奈に謝っておいて、って言われた〉
そう言うとまた彼女の視線は下がってしまって。
テーブルの上に置かれた両腕の片方、左腕には見覚えのないシルバーのブレスレットが照明の光をきらりと反射させていた。


